メルカリで販売する際に古物商許可は必要!注意事項を解説

メルカリで販売する際に古物商許可は必要!注意事項を解説

メルカリは、せどりや転売といった古物の売買を事業として行う際に多く利用されています。

古物の売買を行う際には、基本的に古物商許可が必要となります。意外と知られていませんが、メルカリを利用する際にも古物商許可が必要となるケースがあります。

今回は、メルカリと古物商許可について解説します。許可が必要なケースと不要なケースに分けてご紹介します。

メルカリを利用する方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

メルカリと古物商許可

フリマアプリのメルカリでは、バナーで「メルカリShops」と書かれたページが出てくることがあります。

これは通常のメルカリとは違い、メルカリ内で店舗形式をとっているショップとなります。

メルカリとメルカリShopsは何が違うのでしょうか。

それぞれ詳しく見てみましょう。

メルカリ

メルカリは個人向けであり、下記のような人が該当します。

  • ビジネス目的ではない
  • 単発で売りたい
  • 現金や電子マネー、ポイントがすぐに手に入る
  • コメント機能で買う側とのやり取りを楽しみたい
  • 個人を特定されずに販売したい

メルカリは家にある不用品や趣味の範囲で作った作品を売るためのものです。

同じ買い手と継続的にやり取りをすることを目的としてはいません。

そして商品が売れると、その支払った代金はメルカリに一時ストックされる形となります。

手元に商品が届き、買い手が内容を確認した後に「評価」を行うことで、そのストックされていた金額が販売主に入金されます。

また、商品の状態や金額の値下げ依頼は、チャット式のコメントにてやりとりができます。

メルカリは匿名配送が可能です。

よって送り主も買い主も住所や名前を知られずに商品の受け取りをすることができます。

メルカリShops

一方、メルカリShopsは次のようになります。

  • 営利活動を伴う販売である
  • 登録するのに審査が必要
  • 売り上げは決まった締め日に入金される
  • 出品者の情報を公開しなければならない
  • 利用料は無料
  • コメント機能がない
  • SNS連携をしている
  • 食品を売ることができる
  • 在庫管理ができるシステムがある

メルカリShopの最大の特徴は、法人や個人事業主といった人がビジネス目的で行うことです。

自分の店を持つといったような、他のECサイトと同じ形をとることができます。

メルカリShopsは利用料がかからないので、手軽に店を開くことができます。

また、複数人で同じアカウントを使用することができますので、管理もしやすいといえるでしょう。

メルカリでは基本的には食品の販売は認められていません。

しかし、メルカリShopでは食品を売ることができ、生鮮食品も取り扱うこともできます。

古物商許可に関するメルカリ公式の見解

メルカリについて、公式からこのようなコメントが出されています。

「メルカリは個人間の物品売買の場であり、個人に対して不要品売買の場・機会を提供するサービスであるため、原則として古物営業法は適用されません。
しかしながら、お客さまが営利目的で中古品(古物)の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する可能性がございます。
※取引の実態や営利性等に照らし、個別具体的に判断されます
メルカリでは事業者による利用を想定していないため、個人としてご利用いただきますようお願いいたします」

メルカリヘルプセンター

メルカリShopについては下記のとおりです。

「メルカリShopsで中古品(古物)を販売する場合は、法令上、古物商許可を取得する必要がございます。」

メルカリヘルプセンター

同じ中古品であってもメルカリでは営業目的と判断されなければ許可の適用外となり、メルカリShopでは必ず許可が必要になるのです。

しかし、メルカリにおいて転売やせどりが行われているのも事実です。

個人間の比較的安価で単発の転売である場合は、その事実を抑えることは難しいのです。

では、メルカリにおいて具体的に古物商許可が必要な場合と不要な場合について見ていきましょう。

メルカリで販売する際に必要な古物商許可

原則として、メルカリで古物に該当する商品を販売する際は古物商許可が必要です。

しかし、古物商許可が不要な場合もあります。必要な場合と不要な場合を事例ごとにご紹介します。

古物商許可が必要な場合

古物商許可が必要な場合は、営利目的で販売するケースです。

  • 営利目的で古物を仕入れ販売した場合
  • 個人から仕入れた新品を購入する場合
  • 故障した商品を直して再度売る場合
  • メルカリShopsで中古品を販売

具体的に見ていきましょう。

営利目的で古物を仕入れ販売した場合

古物とは芸術品や衣料品、書籍や金券などの中古品をいいます。

メルカリやメルカリShopでこれらの古物を売る時、最初から転売することを目的としてその古物を入手する際に、いずれも古物商許可が必要になります。

たとえば、メルカリで自宅にかざってあった絵画を売る場合は、古物商許可は不要です。

なぜなら、その絵画は売ることを目的として手に入れたものではないからです。

あくまで不用品であり、絵画であっても古物には該当しないのです。

個人から仕入れた新品を購入する場合

中古品ではなくても古物商許可が必要な場合があります。

個人が所有している新品または未使用品を、購入しまたはそれを再度売る行為がこれに該当します。

商品が「一度取引をされたもの」であるという判断になり、新品であっても古物に該当するのです。

このように一度流通した商品は「新古品」と呼ばれます。

この時、売る側の個人には古物商許可は必要ありませんが、買う側には古物商許可が必要です。

しかし、実際にメルカリでは許可をもたずにこのような行為が行われています。

許可を持たずにこのような取引をしてしまっている人は多いものです。

ただし、店舗などの小売店で購入した新品を再度売る場合は、売る行為に対して古物商許可は不要です。

故障した商品を直して再度売る場合

ジャンク品を仕入れそれを自分で修理し使える形にしてメルカリで売る行為は、古物商許可が必要となります。

これは「ジャンクせどり」とよばれていて、メルカリなどで実際によくみられる光景です。

しかし、実際には法規制の対象となっていますので要注意です。

メルカリShopsで中古品を販売

メルカリshopはビジネスとして行うスタイルです。

メルカリShopで中古品を販売する場合は、継続的かつ営利目的となり古物商許可が必ず必要となります。

商品が新品であり仕入れ先が卸商であれば、メルカリshopであっても古物商許可は必要ありません。

商品が古物(中古品)であるかどうかは自己判断となり、メルカリ公式は「ご自身の責任で法規制を確認するように」と呼びかけています。

古物商許可が不要な場合

個人の不用品を出品する場合は、古物商許可は不要です。

  • 所有している不用品を販売する場合
  • 海外から輸入したものを販売する場合
  • 無料で譲り受けたものを売る場合

詳しく見ていきましょう。

所有している不用品を販売する場合

家にある使わなくなったものをメルカリで売るときは古物商許可は不要です。

不用品とは、基本的に本来使う目的で購入したがその後必要ではなくなった物品をいいます。

古物商許可が必要かどうかは、「使用目的があって購入したものであるかどうか」によります。

転売目的で仕入れたものでなければ、メルカリでは古物商許可は不要となるのです。

海外から輸入したものを販売する場合

古物商許可は日本国内での取引に適用されます。

海外から輸入したものは、たとえ中古品であっても古物用許可の対象外となります。

日本国内で中古品を買い入れて海外で売る場合は、古物商許可が必要となりますので注意が必要です。

無料で譲り受けたものを売る場合

金銭の授受があったかどうかで許可の必要性は変わっています。

ただでもらった中古品をメルカリで売る場合は、古物商許可は不要です。

古物の定義として、「無料でもらったものを売る行為は古物に該当しない」というものがあります。

これは、もし窃盗品が売られるときにタダで売ることはありえないので、法規制の対象外となっているからなのです。

メルカリで出品する際の古物商許可の取り方

古物商許可が必要な事業を行う方向けに、メルカリで出品するまでの流れをご紹介します。

  • 古物商許可が必要かどうかを確認
  • 古物商許可の申請
  • メルカリShopsを開設!サイトURLを用意する

古物商許可の申請は行政書士のサポートを受けると安心です。

古物商許可が必要かどうかを確認

今までなんの疑いもなくメルカリを利用してきた方も、実は法に触れていた、古物商許可が必要だったなどということがあるかもしれません。

どのような商品に古物商許可が必要になるのかの判断はとても難しいです。

しかし、一品一品確かめるのは大変な作業となります。

メルカリなどを利用して継続的に収入を得ている場合は、古物商許可を持っておくと安心です。

ただし、必要かどうかわからない許可を申請するのは少々面倒でもありますし、手数料もかかります。

不安な方は一度専門家に相談をしてみるのもよいでしょう。

古物商許可の申請

古物商の許可を申請する際に必要な書類は下記のものとなります。

  • 許可申請書 別記様式第一号(その1~その4)
  • 略歴書
  • 誓約書
  • 住民票(本籍地記載あり・マイナンバー記載なし)
  • 身分証明書
  • (必要な場合のみ)URLの使用権原疎明資料、営業所の使用承諾書など
  • (法人の場合のみ)法人の登記事項証明書
  • (法人の場合のみ)定款【目的欄に古物商の営業の旨の記載があるもの】

申請の手順としては次のようになります。

  • 要件の確認
  • 必要書類の収集
  • 申請書類の作成
  • 警察署へ申請
  • 古物商許可証の受け取り

古物商許可を取るためには、欠格要件に該当してはいけません。

また、営業所や管理者を決めなくてはなりません。

許可取得後も、古物台帳を記入したり古物商プレートを営業所に掲げる義務が発生します。

このほか、古物商許可申請の手数料として19,000円がかかります。

メルカリShopsを開設!サイトURLを用意する

まず最初にやることは、メルカリShopsの開設です。

メルカリShopを開く際には、所定の審査を受け合格する必要があります。

この審査に合格すると、自身のホームページのURLが決まります。

古物商許可の申請をするのであれば、申請書にこのURLを記載し提出をします。

同時に「URLの使用権限があることを疎明する資料」を求められますので、メルカリショップ開設時に送付される審査完了メールをPDF化・プリントアウトし添付します。

そして無事に古物商許可が取得できたら、許認可証の写しをメルカリ側に提出する義務があります。

さらにホームページには、下記の情報を記載しなければなりません。

  • 許可を受けている公安委員会の名称
  • 古物商許可番号
  • 許可を受けている方の氏名もしくは法人名

古物商許可の申請については、管轄警察署によって対応が異なりますので事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

メルカリで中古品販売・転売をする際の注意点

メルカリで中古品を販売する際に、古物商許可を取得していないと事業におけるリスクとなります。

  • 古物商許可を取得していないことはバレる
  • 古物商許可を取得しないことのリスク

メルカリで商品を販売する前に注意点を確認しておきましょう。

古物商許可を取得していないことはバレる

メルカリShopsは法人や個人事業主向けとなりますので、運営側からのチェックも厳しく入ります。

違反が見つかると利用制限などの処置が行われます。

個人で利用できるメルカリであっても、何か違反行為が判明した場合はメルカリから警告がはいるかもしれません。

知らず知らずのうちに、許可が必要な取引を繰り返しているかもしれません。

明確な基準はわかりませんが、一度に大量に出品をしたり一か月の売り上げが多額であった場合などは公式からチェックが入ると言われています。

また、利用者や同業者からのクレームなどでも、古物商許可を取得していないことがバレてしまうこともあります。

他にも、メルカリでの売り上げを確定申告時に事業所得にしないことで税務調査が入ることもありますので注意をしてください。

古物商許可を取得しないことのリスク

メルカリで古物商の営業を無許可で行った場合は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。

仕入れの目的が営利目的であるかどうかは、客観的に判断されてしまいます。

いくら自己使用であると弁明してもダメです。

違反行為が認められるとメルカリの利用制限がかかる可能性もあります。

中古品が売れやすいメルカリのプラットフォームが使用できなくなるのは事業として大きな影響が出るかもしれません。

古物商許可はそれほど難しい申請ではなく、手数料も高くはありません。

メルカリでの収入が大きい方や利用頻度が高い方は、古物商許可を取っておくほうが無難であると言えるでしょう。

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